お米の話

お米についてのお話

お米はいつから日本にあるのでしょう? 縄文時代の後期には、既に日本に米があったということは近年プラントオパール(コメ特有の石英機動細胞)検出により明らかになってきています。 また、2500年前、すなわち縄文時代晩期の陸稲の畑跡が見つかっています。 ただしこれは熱帯ジャポニカで、現代私たちが食べている米とは別系統のものです。 中国南部から、半島を経由せず、直接九州へ伝来したというのが定説になっています。 縄文時代の晩期、改めて弥生系統の温帯ジャポニカが渡来し、今日につながる水稲が始まりました。 もち米については、縄文時代後期に東南アジアから伝わったという説がありますが、詳しいことはわかっていないようです。
今は当たり前の水田風景ですが、もともと日本の緯度は米を育てるには高く、本来なら涼しすぎます。 本来イネは熱帯原産の植物だからです。 しかし日本には梅雨があって水を貯蓄できること、梅雨後には夏の暑さがあるという条件が揃っていたので、 夏の暑さと稲の成長期を合わせることによって米を作ることが出来るのです。 日本で米を作るためには季節の変化に鋭敏でなければなりません。 日本人の季節を感じる心は、こんなところからも培われていたのかもしれません。

古代米の変遷

古代米といえば、赤米、黒米、緑米などが挙げられます。 赤米は糠層(果皮、種皮)に赤い色素(カテコールタンニン)を持ち、玄米が赤褐色です。 少しだけ精米すると薄い赤を呈し、糠をすべて取り去ると白米となります。 野生種のほとんどが赤米で、短粒(ジャポニカ種)と長粒(インディカ種)があります。 つまりは米のルーツが赤米であることになります。赤米は赤飯の起源とも考えられています。 赤米は現代の白米に比べ、たんぱく質やミネラル・ビタミン各種が豊富で、アミロース含有量も多く、ぱさぱさしていて粘り気が少ないといわれています。 黒米と緑米はもち米で、どちらも栄養豊富です。黒米は現代のおはぎの起源とも言われています。
これらの有色米は、日本に稲が伝来した当初から栽培され、特に赤米は奈良時代以降白米の生産量が増えても、江戸時代頃までは全国的にかなり生産されていました。 赤米は冷害に強く、干ばつや病気にも強いためです。 しかし江戸時代中期以降、収穫量が白米ほど多くないことや、味がよくないこと、年貢としての価値が低いことから、赤米が作られなくなっていきました。 さらに明治時代には、政府の政策で白米が推奨され、赤米は姿を消していきました。
野生米の赤米から白米が生まれたのは、遺伝子の突然変異によるものです。 赤米に偶然に生じた白米への変化を見つけ、当時の農民は積極的に選んで、白米として安定するまで根気よく繰り返し育てていきました。そのおかげで今日の白米があるのです。

米の成分のお話

主に炭水化物、そのほかたんぱく質、カルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1、B2、食物繊維が含まれ、栄養豊富な食べ物です。
おいしさは個人が感じるものなので一概に言えませんが、日本人は粘りがある米をおいしいと感じるというのが一般論のようです。 すなわち、たんぱく質が少ない米です。理由は、たんぱく質が多いと、・でん粉が水を 吸いにくい。・炊飯時にでん粉が膨らみにくい。 ・でん粉がきれいな糊になりにくい。という点が考えられています。 しかし、一方で、食べ物の「旨味」成分はたんぱく質を構成するアミノ酸にあります。 (※「旨味」は甘味や酸味と並ぶ基本味のひとつです。「おいしさ」は基本味を総合して個人が感じるものです)
いかにこの旨味を引き出すかがお米を炊く上でも粉にする上でも重要なポイントの一つです。

※弊社の推測を含めた見解ですので、その点をご承知おきくださいますようお願い申し上げます


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